K’s コンセプト 第1回展示 - 近くの色、彼方の色彩 - について
新しい才能を発見し、世に送り出す「K’s コンセプト」。第 1 回は上海で活躍した志村英美、モノトーンの美を表現する吉本伊織の二人展を開催いたします。 (DM紹介文より)
K’s コンセプト 志村英美と吉本伊織展 ―近くの色、彼方の色彩―
2014年2 月 21 日(金)~28 日(金) 10:00a.m.~7:00p.m.(最終日は 4:00p.m.まで)
新宿京王プラザホテル ロビーギャラリー
近くの色、彼方の色彩」開催にあたって ―「K’sコンセプト」とは何か ―
「K’sコンセプト」は若いアーティストたちの展示機会を少しでも増やしたいという気持ちから開催される展覧会です。そこには、アートに対する私の想いが出発点にあり、また、様々な作風のアーティストたちの作品を鑑賞することによって鑑賞者の方々もおもしろい体験をして頂きたいとの想いもあります。
私は、若い頃から趣味としての美術鑑賞をしてきましたが、50歳を超えてから自ら絵画制作も始めました。しかし、常にアートともっと別の関わり方はないだろうかとの思いが残っていました。また、最近ではアートについて考えれば考えるほど、アートは人間にとって必要なものであり、人間本来の姿に欠かせないもの、そして、人と人とを繋ぐ不思議な力を持つものであるとの想いが強まり、アートを通して世界をもっと元気にできないものかとも考えるようになりました。
アートによって世界が元気になるためには、アート界の裾野が広がり、新しい世代の多様なアーティストが次々と生まれ育つことが必要であり、そのため若いアーティストを支援していくことが重要になります。アーティスト支援の方法として展覧会に出向き彼らの作品を購入することが基本かもしれませんが、もっと違う、しかも私ももっと楽しめる方法があるのではないかとの想いが強くなりました。しかし、答えはすぐには見つかりませんでした。
そんな折、私が10年来通っている上野の森美術館アートスクールの出射茂先生に何気なくご相談したところ、今回の「K’sコンセプト」の土台となる提案を示して頂きました。私自身が自分の目で気に入ったアーティストを選び、彼らをもっと世の中に知ってもらうための展覧会を開催し、そのことを通して若いアーティストを応援していくという方法で、私の楽しみも多い素晴らしいアイディアです。その後、出射先生から京王プラザホテルのロビーギャラリーをご紹介頂き、ご賛同を得ることにより、今回の「K’s コンセプト」の展覧会開催が実現しました。
その過程で、志村英美さんと吉本伊織さんと言う素晴らしいアーティストにめぐり合うことが出来ました。志村さんの作品は、様々の色の絹の刺繍糸を板に巻き付けたものを大胆かつ複雑に組み合わせて色彩のハーモニーを作り出す作品です。他方、吉本さんの作品は モノトーンの風景画を中心としていますが、黒鉛の粉末や墨汁を使ったシンプルに見える色の中にも様々な色彩を感じさせる静かな語り口の作品です。
ご来場の皆様には、異なる作風のお二人の作品が醸し出す色彩や色調の対比を楽しみながら、様々なものを感じ取って頂ければ私も嬉しく思います。そして、若いアーティストのお二人にとって、今回の展覧会が一つの踏み台となり、新たな繋がりと更なる発展のきっかけとなることを願ってやみません。
最後に、今回の展覧会開催に当たり、素晴らしいアイディアを御提案下さり、実現に向けてたくさんのサポートをして下さった出射先生に心から感謝申し上げたいと思います。私の小さな、小さな力だけではとても実現できなかったことをこのような素晴らしい形で実現することができ、言葉では表現出来ないほどの大きな喜びを感じています。私のささやかなアートへの想いがこのような形で実り、大変幸せに思います。
2014年2月21日
柏木 美和子
K’s コンセプト第1回展示に参加して -出展アーティストの感想-
現代美術作家 志村英美
K's Concept の展示への参加のお話をいただいた時、私はまだ上海に住んでいて、「そろそろ日本に帰ろうかなあ。」と思いながらも、帰ったとしても果たして日本の美術業界でやっていけるのかどうか?という不安がある状態でした。
しかし、今回の展示のために作品を日本に運ぶ必要があり、そのまま思い切って本帰国することにしてしまいました。
久しぶりの日本での展示でかなり緊張していたのですが、常に適切な助言とサポートをしていただけたので、安心して準備を進めることが出来ました。
結果的に展示を見に来てくださった方々からも暖かい反応をいただき、作品も予想していたより販売することが出来、日本でもやっていけそうだという自信を得ることが出来ました。
活動拠点は上海から埼玉に移りましたが、このまま引き続き活動の幅を広げていきたいと思います。
現代美術作家 吉本伊織
僕にとっては、K'sCponcept・京王プラザの展示は、大きなチャンスでありました。
僕は、アートで町の再生をしている、横浜・黄金町というところで、アトリエを構え(小さく汚いですが。)作品の発表もしています。
そこで、自分と同世代のアーティストたちと切磋琢磨しています。
しかし、そこでは、作品の売買は発生はたまにしか、ありません。自分の作品が売れるのか、どうかもわかりませんでした。
お金の話ばかりして、申し訳ありませんが、売れるのかどうか試したいという気持ちになってしまいました。しかも、自分の描きたい絵画で。
結果として、売れました。K'SConceptの人脈のお蔭です。
わたくしは、今、横浜・黄金町や天草市や石巻市、取手市といった、日本の地方でアーティストが何ができるということを、自らに設問し、絵画制作、ワークショップ等をしています。
京王プラザで展示できた事は、その後の私にとっての励みになりました!