出展作家紹介 - 2014年「近くの色、彼方の色彩」-
志村英美(シムラヒデミ)
静岡県出身。武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科ファッションデザイン専攻卒業。卒業後東京にて3DCG制作者として数年間働き、その後本格的にアーティスト活動を始める。
東京、上海、ヨーロッパ・アメリカ各都市などさまざまな都市での展示を通して活動の場を世界に広げつつある。2007年から以前から好きだった街上海に拠点を移し制作活動をしていたが、2013年12月に日本に帰国、現在埼玉県所沢市在住。
一番の代表作は刺繍糸をストライプ状に巻きつけたカラフルな作品「サイレントインベーダー」シリーズであり、既に200点以上制作している。
サイレントインベーダーシリーズ
Silent Invader (SS_rd18) |
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Silent Invader (SS_yl16) |
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Silent Invader (SS_ml12) |
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■コンセプト
「世の中にいつのまにかバーコードが普及してしばらくになるが、はたしてバーコードというのはいったい何者なのであろうか?宇宙人が地球を支配するために送り込んだ使者かも知れず、CIAのような秘密組織が人々を洗脳するために生み出した暗号かもしれないではないか。
バーコード達は今ごろ何かを企んでいるに違いない。皆さんもバーコードをご利用する際には十分気をつけましょう。」
作品のバーコード部分は人間と人間の生活そのものを表し、カラー部分は人間をとりまく世界を表しています。この世界には様々な人間、様々な物で溢れています。小さな部分にフォーカスしてみると、人と人は時にお互いにうまく行かなかったり、物と物も組み合わせがちぐはぐであったりします。
この作品は近くで見ると合わない色が隣同士に配置されていたりするのですが、遠くから全体を見てみると以外とどんな色の組み合わせでも美しく見え、沢山の色が交じり合う所には色彩理論など入り込む余地がないように思われます。
私達を取り巻く世界も一見カオスなように見えて実は調和が保たれており、一歩離れて世界を遠くから見ることにより新たな美しさ・調和を発見できます。このように、私達をとりまく世界と人々のささやかな生活の関係をこの作品では表現しています。
■マテリアル
素材:刺繍糸、アクリル板、両面テープ、紙
※細く切ったアクリル板に刺繍糸を巻きつけたものをアクリル板に貼り合わせたもの
テンションシリーズ
Tension (M_1) |
Tension (SS_gr_1) |
■コンセプト
漢字の「人」という字は人と人が支えあっている姿を表していると言われている。しかし、私にとっては人々はそれぞれ引力を持っており大勢の人がお互い引っ張り合っているように思える。(作品の中の瓦礫の破片は人々、糸は人々の間の張力を表している。)特にせわしなく人々が現れては去っていく上海の街に住み始めてから更にそう感じるようになった。その引っ張り合う力は生きるのに必要なストレスであって、あちこちから引っ張られる事によって人々は宙ぶらりんな自分達の身を安定させているのだと思う。
しかし一箇所でその張力のバランスが失われると、糸が切れたり不恰好に緩んだりしてしまう。それはストレスや 過度な気の緩みとなり、人々の生活リズムを狂わせる。しかし、人々は再び人生の均衡を取り戻すために糸の修復を試みる。
そしてその糸は自分の身近な人々との繋がりから始まり、海を越え、全世界を埋め尽くす。地球全体が無数の網の目に包まれているところを想像すると気が狂いそうになるが、同時にとても美しい光景のようにも思えてくる。
■マテリアル
糸、上海の工事現場で拾った煉瓦とコンクリート、写真(紙にプリント)、アクリル絵の具、木製パネル
■技法
写真を紙にプリントアウト→パネルにコラージュ→アクリル絵の具でペイント→パネルの内枠にネジを沢山付ける→ネジに糸を結び小さく砕いた煉瓦とコンクリートのかけらに結びつけ巻き付ける→それぞれの破片が糸によって繋がるまで繰り返す。